CHAPTER 4 ── 4-04
停車と駐車
— 禁止場所の5メートル・10メートルと、荷積み荷卸し
配送の現場でいちばん身近な規定です。停車も駐車も禁止される場所と、駐車だけが禁止される場所があり、距離の数値がそれぞれに付いています。あわせて押さえたいのが「停車」と「駐車」の分かれ目。貨物の積卸しのための停止で5分を超えないものは駐車に当たりません。この5分が、現場の判断を分けます。
SECTION 1試験ではこう問われる
まず「停車」と「駐車」を分ける
禁止場所を覚える前に、言葉を分けておきます。駐車とは、車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること、または車両等が停止し、運転者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあること。ただし、人の乗降のための停止、5分を超えない時間内の貨物の積卸しのための停止などは駐車から除かれます。この5分が、配送の現場で効いてきます。
そのうえで、禁止場所は二段になります。停車も駐車も禁止される場所(第44条)と、駐車だけが禁止される場所(第45条)。距離の数値は前者が5メートルと10メートル、後者が1メートル・3メートル・5メートルです。
もう一つ、駐車についてだけかかる規定が無余地駐車の禁止です。駐車したときに、その車の右側の道路上に3.5メートル以上の余地がないこととなる場所には駐車してはならない(第45条第2項)。ただし書の例外は三つあります。①貨物の積卸しを行う場合で運転者がその車両を離れないとき、②運転者がその車両を離れるが、直ちに運転することができる状態にあるとき、③傷病者の救護のためやむを得ないとき。二つめを落とすと設問で誤ります。
SECTION 2現場ではこう現れる
「5分」と「離れない」が、現場の分かれ目です
荷卸しのために路上に停める場面を考えます。5分を超えない積卸しなら駐車には当たらず、停車として扱われます。ですから第45条の駐車禁止場所であれば止められる。ただし第44条の停車も駐車も禁止される場所では、5分以内でも止められません。ここが一つめの分かれ目です。
二つめが、無余地駐車の例外です。貨物の積卸しを行う場合で運転者が車両を離れないとき、または離れても直ちに運転することができる状態にあるときは、3.5メートルの余地がなくても駐車できます。逆にいえば、運転者が荷物を持って建物の奥まで運び込み、すぐには車に戻れない状態になれば、この例外は使えません。「離れたかどうか」ではなく「直ちに運転できるかどうか」が分かれ目です。
- ✓停める場所敷地内◯番
- ✓路上に停める場合の可否不可
- ✓運転者が離れるか離れる
- ✓離れる場合の代替手段構内待機
納品先ごとに一度決めておけば、運転者がその場で判断せずに済みます。判断を現場に預けているうちは、反則金と点数が積み上がり続けます。決めるのは配車の側の仕事です。
放置駐車は、使用者にも及びます
放置駐車違反があった場合、運転者が反則金を納めなければ、車両の使用者に放置違反金の納付が命じられる仕組みがあります。さらに、放置車両確認標章の取付けの日前6か月以内に、放置違反金の納付命令を受けたことがある場合などには、使用の本拠の位置を管轄する公安委員会が、3か月を超えない範囲で期間を定めて、その車を運転し、または運転させてはならない旨を命ずることができます(第75条の2第2項)。駐車違反は、会社に請求が来て、繰り返せば車が止まる違反です。
SECTION 3不備だと、何が起きるか
止め方が、事故の形を決めることがあります
禁止場所での停車・駐車は、単に反則の問題ではありません。交差点の側端や横断歩道の直前に停めれば、そこを渡ろうとする歩行者が対向車から見えなくなります。見通しを塞ぐ位置に大型車が止まっているという状態は、事故の典型的な条件の一つです。距離の数値は、見通しを確保するために引かれています。
そして、事故が起きたときに「なぜそこに止めていたか」が問われます。納品先の都合、時間指定、駐車場の不足——事情はあっても、止めてよい場所ではなかったという事実は動きません。止める場所を決めていなかったこと自体が、会社の側の落ち度として見られます。
ハザードランプを点けておけば停まっていてよい、と伝える。運転者を車に残しておけば大丈夫、と一律に扱う。——ハザードに法的な効果はありませんし、運転者が残っていても第44条の場所では止められません。決めるべきは、納品先ごとの停める場所です。決められないのであれば、荷主・納品先と話す。そこを飛ばして現場の工夫に任せると、同じ場所で同じ違反が続きます。
確認の一問一答
貨物の積卸しのための停止は、どのような場合に「駐車」に当たらないか。
5分を超えない時間内の貨物の積卸しのための停止は、駐車に当たりません(第2条第1項第18号)。人の乗降のための停止も同様です。ただし、運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にあれば、時間にかかわらず駐車となります。
踏切と横断歩道について、停車も駐車も禁止される距離はそれぞれ何メートルか。
踏切は前後の側端からそれぞれ前後に10メートル以内、横断歩道および自転車横断帯は前後の側端からそれぞれ前後に5メートル以内です。交差点の側端または道路の曲がり角からは5メートル以内です。
無余地駐車の禁止について、車両の右側の道路上に何メートル以上の余地が必要か。また、例外は。
3.5メートル(道路標識等により距離が指定されているときはその距離)以上です。例外は三つで、①貨物の積卸しを行う場合で運転者がその車両を離れないとき、②運転者がその車両を離れるが直ちに運転することができる状態にあるとき、③傷病者の救護のためやむを得ないときです。