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運行管理の教科書 / 第4章 道路交通法 / 4-05

CHAPTER 4 ── 4-05

乗車・積載の制限
— 1.2倍と、10分の1

公開 2026.09.07 内容の確認日 2026.09.07 読了目安 9分
試験 頻出改正 反映第4章 積む

積載物の大きさの制限は、令和4年5月に緩和されました。長さは自動車の長さの1.2倍まで、幅も自動車の幅の1.2倍まで。はみ出しは前後・左右それぞれ10分の1まで。高さは地上から3.8メートル(公安委員会が定める道路では4.1メートルまで)。改正前の数字で覚えている方が多い項目ですから、確認しておく価値があります。

SECTION 1試験ではこう問われる

令和4年5月に、数字が変わりました

積載物の大きさと積載の方法の制限は、政令が定めています。ここは令和4年5月13日から緩和されており、それ以前の数値で覚えている方が多い項目です。まず現在の数値を確かめます。

2022.05 ── 積載の制限(自動車)
項目いまの制限改正前
長さ自動車の長さ+その10分の2(=1.2倍)1.1倍
幅自動車の幅+その10分の2(=1.2倍)自動車の幅
高さ地上から3.8メートル(公安委員会が定める道路では3.8メートル以上4.1メートルを超えない範囲)から、積載をする場所の高さを引いたもの変わらず
前後のはみ出し自動車の長さの10分の1を超えない(前後それぞれ)前後合わせて10分の1
左右のはみ出し自動車の幅の10分の1を超えない(左右それぞれ)はみ出し不可
重量自動車検査証に記録された最大積載重量(車検証の欄名は「最大積載量」)
長さの制限(自動車を横から見た図) 自動車の長さ L 積載物 1.2 L まで 0.1 L 0.1 L L(自動車の長さ) 積載物の長さは 1.2L まで。前と後ろのはみ出しは、それぞれ 0.1L まで(合わせて 0.2L) 幅も同じ形で、自動車の幅の1.2倍まで、左右それぞれ10分の1まではみ出せる
図 4-05-1「1.2倍」と「前後それぞれ10分の1」は同じことを別の言い方で表しています。改正前は前後合わせて10分の1でしたから、後ろにだけ長く積む運用が変わりました。

設問では、改正前の数値(1.1倍、幅は自動車の幅まで)で誤りを作る形が出ます。1.2倍と10分の1——この二つを押さえておけば、長さも幅も同じ形で処理できます。

SECTION 2現場ではこう現れる

分割できない貨物にだけ、出発地警察署長の許可

制限を超えて積めるのは、貨物が分割できないものであるため制限を超えることとなる場合に限られます。このとき出発地警察署長が、車両の構造や道路・交通の状況により支障がないと認めて積載重量等を限って許可をしたときは、その範囲内で制限を超える積載ができます(第57条第3項)。いわゆる制限外積載許可です。分割できる貨物には出ません——ここが条文の要件です。許可を受けたときは、許可証を携帯し、はみ出した部分に赤い布などを付ける必要があります。

実務で決めておきたいのは、誰が判断するかです。「この荷は許可が要るのか」を運転者に判断させると、積み込みの現場で止まります。荷の寸法と車両の寸法を並べた一覧を配車の側で持ち、受注の段階で仕分ける。許可は当日には出ませんから、受注時に気づけるかどうかが分かれ目になります。

受注のときに見る4行◯◯建材/長尺物
  • ✓荷の長さ7.2m
  • ✓使う車両の長さ(L)6.0m
  • ✓1.2L7.2m
  • ✓判定許可不要

この4行を受注のときに埋めれば、当日に慌てません。1.2Lを超えるなら、許可を取るか、長い車両に替えるか、切って運ぶか。どれも当日には決められないことです。

高さは、車両法の寸法とは別の話です

第3章で扱った保安基準の高さ3.8メートル(3-08)は車両そのものの制限でした。こちらの3.8メートルは積載した状態で地上からの高さです。数字が同じなので混同しやすいのですが、条文が別で、こちらは公安委員会が定める道路について4.1メートルまでの例外が置かれています。同じ3.8でも、測るものが違うと覚えておきます。

SECTION 3不備だと、何が起きるか

はみ出した荷は、そのまま事故の形になります

後ろに長く突き出した荷は、後続車から見て距離感がつかみにくく、追突の形が変わります。左右にはみ出した荷は、対向車や歩行者に接触します。制限の数値は、車体の外形から荷がどれだけ離れてよいかを決めているものですから、超えれば当たる相手が増えるという直接の関係にあります。

そして、積載の制限を超えて運転させることは、第75条第1項第6号の対象です(過積載としての規定は重量ですが、大きさの制限違反も第57条第1項違反として扱われます)。「そのくらいなら大丈夫」と現場が判断した積み方が、会社の側の問題になる——構造は過積載(4-06)と同じです。

やってはいけない直し方

はみ出した部分に赤い布を付ければ、制限を超えて積んでよいと考える。——赤い布は許可を受けたときに付けるもので、それ自体が制限を外すものではありません。許可がなければ、布を付けても制限違反です。もう一つ、改正で1.2倍になったからと、前だけ2割はみ出させる積み方。前後それぞれ10分の1という制限は別にかかりますから、前に0.2Lは出せません。

確認の一問一答

自動車の積載物の長さは、自動車の長さの何倍までか。また、前後のはみ出しはそれぞれ何分の1までか。

自動車の長さにその10分の2を加えたもの(1.2倍)までです。はみ出しは、自動車の長さの10分の1を超えないこととされ、これは前と後ろそれぞれにかかります。幅についても同じ形で、自動車の幅の1.2倍まで、左右それぞれ10分の1までです。

積載物の高さの制限は、地上から何メートルか。例外はあるか。

地上から3.8メートル(公安委員会が道路または交通の状況により支障がないと認めて定めるものにあっては、3.8メートル以上4.1メートルを超えない範囲内で公安委員会が定める高さ)から、その自動車の積載をする場所の高さを減じたものです。

制限を超えて積載できるのはどのような場合か。また、誰の許可が必要か。

貨物が分割できないものであるため制限を超えることとなる場合に限られ、出発地警察署長が、車両の構造または道路もしくは交通の状況により支障がないと認めて積載重量等を限って許可をしたときです(第57条第3項)。許可を受けたときは許可証を携帯し、はみ出した部分に赤い布を付けるなどの措置が必要です。

根拠道路交通法 第57条第1項・第3項(制限外積載の許可)/道路交通法施行令 第22条(令和4年5月13日施行)/道路交通法 第75条第1項第6号
確認本記事は道路交通法および同法施行令・施行規則の条文にもとづき作成し、記載の確認日時点の制度を反映しています。政令・府令の改正で数値が動く項目があり、道路標識等による指定がある場合はそちらが優先します。実際の運行の際は最新の条文および警察庁・都道府県警察の案内をご確認のうえ、個別の判断は必ずご相談ください。

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