GUIDE ── 役員法令試験
一般貨物の許可申請では、申請の後に常勤役員が「法令試験」を受けます。合格ラインは出題数の8割。ただし試験会場では関係法令の条文集が配付されます(書込み不可・試験終了後に回収)。つまりこれは暗記量を競う試験ではなく、限られた時間で正しい条文にたどり着けるかを測る試験です。対策の組み立ても、そこから逆算します。
※再試験も合格点に達しない場合は却下処分
※実施要領は運輸局ごとに定められています。九州運輸局の最新の案内でご確認ください
WHAT
名前が似ているため混同されがちですが、受ける人も、目的も、性質も違います。最初に二つを並べて区別してください。
| 役員法令試験 | 運行管理者試験 | |
|---|---|---|
| 誰が受けるか | 申請する事業に専従する常勤役員(個人事業は本人) | 運行管理者になろうとする人 |
| いつ受けるか | 許可申請の後、審査の期間中 | 年2回の試験期(CBT) |
| 合格基準 | 出題数の8割以上(30問中24問) | 6割(18/30問)+分野別基準 |
| 条文の参照 | 条文集が配付される(書込み不可・試験終了後に回収) | 参照不可(暗記の試験) |
| 落ちたとき | 翌々月に1回限りの再試験。再試験も不合格なら却下処分 | 次回の試験期に再受験 |
合格ライン8割は一見高く感じますが、条文集を引ける前提での8割です。性質としては、暗記の試験ではなく検索の試験。逆に言えば、条文集の構造に慣れないまま会場に入ると、知識があっても時間が足りなくなります。なお出題数・形式・時間・合格基準・再試験の扱いは、各運輸局が公示する実施要領に定められています。上の数値は九州運輸局の公示「一般貨物自動車運送事業の許可等の申請に係る法令試験の実施について」(九運公第53号・平成20年5月12日/最終改正 令和8年6月26日)にもとづくものです。改正されることがありますので、申請の前に九州運輸局の案内で最新のものをご確認ください。
合格点に達しなかった場合、再試験を受けられるのは翌々月に1回限りです。そこでも合格点に達しなければ、申請は却下処分となります。審査が振り出しに戻り、車両や土地の契約スケジュールにも影響しますので、「2回あるから1回目は様子見」ではなく、1回目で決める準備をお勧めしています。
SCOPE
範囲の広さに構える必要はありません。出題の中心は貨物自動車運送事業法とその関係省令で、ここを厚く、周辺を薄く、が正しい配分です。朱枠が重点分野です。
最後の二つ(独占禁止法・取適法)は運行管理者試験には出ない、法令試験だけの範囲です。荷主との取引の公正に関する法律で、出題数は多くありませんが、ノーマークだと確実に落とす数問になります。なお下請法は2026年1月に取適法へ改称され、対象取引に運送の委託が加わりました(H-02)。
HOW
試験で貸与されるものと同等の条文集を用意し、どの法令が何ページ目あたりかを体に入れます。目次から目的の条文まで30秒で届くようになるのが最初のゴールです。書き込みができない前提で、位置で覚えます。
事業計画の変更(認可・届出)、点呼、記録の保存年限、事故報告と速報、改善基準の数字。過去に繰り返し出ている論点は、条文を引かなくても即答できる水準まで上げ、引く時間を難問のために残します。
過去問を本番と同じ50分で解き、「即答する問題」と「条文を引く問題」の仕分けを練習します。8割の合格ラインは、全問を引いていては届きません。仕分けの速さが合否を分けます。
なお、STEP 2の頻出論点は当サイトの「運行管理の教科書」第1章と大きく重なります。各記事の試験セクションは法令試験の対策としてもそのまま使えます。どの条から出るかの地図は、H-03にまとめました。
ARTICLES
四本そろいました。条文集の引き方から、不合格だったときの立て直しまで。
SUPPORT
当事務所の新規許可サポートでは、申請書類の作成と並行して、受験される役員の方の試験準備を支えます。
申請月によって、法令試験の受験月と許可の時期は変わります。事業の開始予定から逆算した申請スケジュールをお示しします。一般貨物の新規許可と、役員法令試験の準備を、お引き受けしています。