役員法令試験 ── H-03
頻出マップ
— 「何が出るか」ではなく「どこから出るか」
問題の頻度そのものは公表されていません。公表されているのは出題範囲の法令だけです。ですから対策としてできるのは、条文集の中身を条の並びに直し、どのブロックから設問が作られるかを地図にしておくこと。そのうえで、設問の型を四つに分けて潰す。この二段構えが、いちばん外れの少ない準備だと考えています。
SECTION 1どこから出るか
輸送安全規則の条の並びが、そのまま地図になります
条文集の①貨物自動車運送事業法と③輸送安全規則が主戦場であることは、H-01で見たとおりです。このうち③は、条の並び自体が運行管理の一日の流れに沿っています。点呼、記録、記録計、事故、指示書、台帳、教育、そして体制。条番号と主題を対で覚えてしまえば、設問を読んだ瞬間に開くページが決まります。
もう一方の柱、①貨物自動車運送事業法は、事業の入口から出口までの順に並んでいます。三つの種類(第2条)、許可(第3条)、事業計画(第8条・第9条)、運送約款(第10条)、運賃・料金等の掲示(第11条)、書面の交付(第12条)、輸送の安全、運行管理者(第18条)、名義の利用等の禁止(第28条)、業務の管理の受委託(第29条)、許可の取消し等(第33条)、荷主への勧告(第65条)。会社を作って、動かして、たたむまでの順だと思えば、目次を追う速さが上がります。
SECTION 2設問の型は、四つです
語尾・数字・主体・期限。落とすなら、このどれかです
設問の作り方には型があります。条文のどこか一語を入れ替えて誤りにする、という作業なので、入れ替えられる場所は限られているのです。四つに分けて、それぞれの潰し方を決めておきます。
数字は、束にして覚える
ばらばらに覚えると必ず混ざります。保存年限は1年の束と3年の束(1-10)。事故は24時間の速報と30日の報告書(1-15・1-16)。人にかかる数字は65歳・3分の1・30両(1-21・1-08・1-17)。車にかかる数字は7トン・4トン(1-12)と8トン・5トン(貨物の積載状況。1-11)。最後の二つが紛らわしいので、記録計は7・4、積載状況は8・5と、口に出して覚えてしまうのが早道です。
- 1条文集を印刷し、③輸送安全規則に インデックスの位置を決める1日目
- 2図H-03-1の12ブロックを、条番号と主題で言えるようにする2日目
- 3①事業法を、会社を作って動かす順に目次で追う3日目
- 4数字を束で確認する(1年・3年/24時間・30日/65・3分の1・30両)4日目
- 5練習問題を、必ず条文集を引きながら解く。開いたページを記録する5〜6日目
- 7迷った条だけを、もう一度引く。新しい教材には手を出さない前日
開いたページを記録しておくと、自分がどの法令で迷うかが見えます。迷いが集中している箇所が、その人にとっての「頻出」です。
最大の出題源は、第20条です
輸送安全規則第20条には、運行管理者の業務が17の号にわたって並んでいます。乗務割の作成、休憩睡眠施設の管理、点呼の実施と記録、運行記録計の管理、運行指示書の作成、運転者等台帳の作成——第7条以降で見てきた内容が、ここで「運行管理者の業務」として一覧になっています。号がそのまま選択肢になる構造ですから、時間があるならこの条を通しで読んでおく価値があります。読むというより、17の号のうち何が入っていて、何が入っていないか(=事業者の義務として別に置かれているもの)を確かめる読み方です。
SECTION 3落とすとしたら、どこか
知らない条文ではなく、知っている条文で落ちます
この試験で落とす問題の多くは、まったく知らない条文ではありません。点呼、記録、選任——何度も読んだはずの条文で、数字を一つ、あるいは主体を一つ取り違えて落とします。だから直前の準備は、新しい範囲を広げることではなく、すでに知っている条文の四か所(語尾・数字・主体・期限)を確かめ直すことに使うのが効率的です。
もう一つ、時間の使い方です。条文集があるという安心感から、一問目から丁寧に引き始めて、後半で足りなくなる——これがいちばん多い失敗の形です。最初に全問を読み、引かずに答えられるものを先に片づける(H-01)。この配分だけは、練習のときから体に入れておいてください。
設問の頻度そのものは公表されていません。この記事の「マップ」は、公表されている出題範囲の法令を、条の並びに直したものであり、当事務所が実務と試験対策の経験から重心を示したものです。出題範囲の法令は運輸局の実施要領によりますので、受験の前に必ず九州運輸局の最新の案内でご確認ください。
確認の一問一答
「運行管理者の業務」が号で列挙されているのは、どの法令の何条か。
貨物自動車運送事業輸送安全規則 第20条です。17の号が並んでおり、選択肢の作りやすい条文です。事業者の義務(第3条ほか)との切り分けが問われます(1-18)。
運行記録計の「7トン・4トン」と、貨物の積載状況の「8トン・5トン」。どちらがどちらか。
運行記録計による記録の対象が車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上(第9条/1-12)、業務の記録のうち貨物の積載状況を記録する対象が車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上(第8条/1-11)です。近い数字なので、束にして覚えてください。
「あらかじめ」と「遅滞なく」が同じ条文の中で分かれているのは、どの手続か。
事業計画の変更です(貨物自動車運送事業法 第9条/1-02)。車両の数の変更は「あらかじめ」、軽微な事項の変更は「遅滞なく」。同じ条の中で前後が分かれるため、設問にしやすい箇所です。