CHAPTER 4 ── 4-10
免許の区分と、使用者への処分
— 大型・中型・準中型と、自動車の使用制限命令
車両総重量11トン以上なら大型、7.5トン以上11トン未満なら中型、3.5トン以上7.5トン未満なら準中型。最大積載量と乗車定員にも同じように線が引かれています。採用のときに免許証を見て、その人がどの車まで運転できるかを判断する——この判断を誤ると、無免許運転を容認したことになりかねません。使用者の側にかかる処分まで、ひと続きで見ておきます。
SECTION 1試験ではこう問われる
免許は三つに区分され、第一種は十種類
第84条第2項が、免許を第一種運転免許・第二種運転免許・仮運転免許の三つに区分しています。第一種は十種類(大型・中型・準中型・普通・大型特殊・大型自動二輪・普通自動二輪・小型特殊・原動機付自転車・牽引)、第二種は五種類(大型第二種・中型第二種・普通第二種・大型特殊第二種・牽引第二種)、仮免許は四種類(大型仮・中型仮・準中型仮・普通仮)です。第二種に「準中型」はありません——ここが設問になります。
そのうえで、どの車がどの区分に当たるかは道路交通法施行規則第2条が定めています。車両総重量・最大積載量・乗車定員の三つで線が引かれ、三つのうちどれか一つでも該当すれば、上の区分になります。
| 区分 | 車両総重量(トン) | 最大積載量(トン) | 乗車定員 |
|---|---|---|---|
| 大型自動車 | 11 以上 | 6.5 以上 | 30人以上 |
| 中型自動車 | 7.5 以上 11 未満 | 4.5 以上 6.5 未満 | 11人以上29人以下 |
| 準中型自動車 | 3.5 以上 7.5 未満 | 2 以上 4.5 未満 | 10人以下 |
| 普通自動車 | 3.5 未満 | 2 未満 | 10人以下 |
| 読み方 | 三つの数値のいずれか一つでも該当すれば、その区分になります。乗車定員が10人以下でも、車両総重量が8トンなら中型自動車です。 | ||
設問では、この境目の数値を一つずらす形か、「三つすべてを満たす必要がある」とする形で誤りが作られます。11・7.5・3.5と6.5・4.5・2、そして30・11。数字はこれだけです。
SECTION 2現場ではこう現れる
免許証は、種類欄より「条件等」欄を見ます
採用のときに免許証を確かめるのは当然ですが、見る場所を間違えやすい項目があります。免許の種類の欄に「中型」とあっても、条件等の欄に「中型車は中型車(8t)に限る」と書かれていれば、乗れるのは車両総重量8トン未満の車までです。準中型についても同じく「準中型で5t限定」という条件が付くことがあります。免許の区分が改められた際、それ以前の普通免許を持っていた方に上位の区分が与えられ、そのぶん条件が付いた——という経緯によるものです。
- 免許の種類(大型・中型・準中型・普通、牽引の有無)
- 有効期限(更新の時期を台帳に控える)
- 免許証番号(運転者等台帳の記載事項)
- 「中型車は中型車(8t)に限る」
- 「準中型で5t限定」
- 眼鏡等、AT車に限る、などの条件
左を見て右を見落とす、というのがいちばん多い形です。運転者等台帳(1-14)には免許の種類と番号を書きますが、条件等の欄までは書く形になっていない台帳もあります。欄がなければ余白に書き足しておく。配車の担当者が見るのは台帳のほうだからです。
牽引と、大型特殊
トレーラを引くには牽引免許が要ります(車両総重量750キログラムを超える車を牽引する場合)。大型免許を持っていても、牽引免許がなければトレーラは引けません。「大型を持っているから大丈夫」は、牽引については通りません。フォークリフトなどを公道で走らせる場合の大型特殊も同じで、区分が別に立っています。
SECTION 3不備だと、何が起きるか
車が止まります ── 自動車の使用制限命令
無免許運転を命じ、または容認することは、第75条第1項第1号で禁じられています(4-01)。ここでいう無免許には、免許の条件に違反した運転——8トン限定の方に10トン車を運転させるような場合——も含まれ得ます。免許証を見ていなかった、条件等の欄を見落としていた、というのは確認していれば防げたことですから、容認の側で説明が難しくなります。
そして第75条第2項です。違反によって交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、公安委員会が6か月を超えない範囲で、当該自動車を運転し、または運転させてはならない旨を命ずることができます。整備命令による使用停止(3-09)や過積載による使用制限(4-06)と同じで、車が止まるという形の処分です。台数の少ない事業所では、1台止まるだけで運行が組めなくなります。
あわせて、事業の側でも運転者等台帳(1-14)の記載不備、点呼での確認不足として扱われます。免許証の確認は、採用時に一度ではなく、有効期限の管理として継続的に行う必要があります。更新を忘れたまま乗務させれば、それも無免許運転です。
免許の有効期限の管理を本人任せにし、「期限が来たら言ってください」で済ませる。台帳には「中型」とだけ書き、条件等の欄は写さない。人が足りない日に、限定条件のある方へ大きい車を回す。——一つめは、失効に気づく仕組みが会社にないということです。期限は台帳から一覧にできますから、月初に翌々月分を見る。二つめは、配車が見る資料に必要な情報がない状態です。三つめは、その日は動いても、事故が起きれば下命・容認の話になります。乗れる人がいないなら、その便は受けない——判断の順序はここでも同じです。
確認の一問一答
道路交通法上、免許はどのように区分されるか。また、第一種運転免許の種類はいくつあるか。
第一種運転免許、第二種運転免許および仮運転免許の三つに区分されます(第84条第2項)。第一種運転免許は、大型・中型・準中型・普通・大型特殊・大型自動二輪車・普通自動二輪車・小型特殊・原動機付自転車・牽引の十種類です。
中型自動車に該当する車両総重量・最大積載量・乗車定員を答えよ。
車両総重量7,500キログラム以上11,000キログラム未満、最大積載量4,500キログラム以上6,500キログラム未満、または乗車定員11人以上29人以下です。三つのうちいずれか一つに該当すれば中型自動車となります(施行規則第2条)。
使用者が無免許運転を命じ、または容認した場合、公安委員会はどのような命令を出すことができるか。
違反によって交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、6か月を超えない範囲で期間を定め、当該自動車を運転し、または運転させてはならない旨を命ずることができます(第75条第2項)。いわゆる自動車の使用制限命令です。