CHAPTER 2 ── 2-04
1日の拘束時間と休息期間
— 13時間・15時間と、9時間を下回らない
1日の拘束時間は13時間を超えないことが基本、延長しても最大15時間。休息期間は継続11時間以上を与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない。この二つは表裏です。24時間から拘束時間を引いた残りが休息期間ですから、15時間拘束なら休息は9時間ちょうど。ここが改善基準告示のいちばん現場に効く数字です。
SECTION 1試験ではこう問われる
13時間が基本、延ばして15時間。そのぶん休息が削られる
1日の拘束時間は13時間を超えないことが基本で、延長する場合であっても最大15時間。あわせて、1日についての拘束時間が14時間を超える回数はできるだけ少なくするよう努める、という規定が置かれています。この「14時間超はできるだけ少なく」は努力義務ですが、解釈通達では、その回数について1週間について2回以内を目安とすることが示されています。実際に回数を数えられますから、努力義務だから見られない、とは考えないほうがいい。
休息期間は、勤務終了後、継続11時間以上を与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らない。改正前は「継続8時間以上」でしたから、ここが令和6年4月からいちばん大きく動いた数値です。1日は始業時刻から24時間ですから(2-02)、拘束時間と休息期間は同じ帯の裏表になります。15時間拘束なら休息は9時間ちょうど。13時間拘束なら11時間。基本どうしと、上限どうしが対になっているのが分かります。
1日についての拘束時間は13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、1日についての最大拘束時間は15時間とすること。1日についての拘束時間が14時間を超える回数をできるだけ少なくするよう努めるものとすること。勤務終了後、継続11時間以上の休息期間を与えるよう努めることを基本とし、休息期間が継続9時間を下回らないものとすること。
SECTION 2現場ではこう現れる
判断するのは事後の集計ではなく、配車の段階です
拘束時間の超過は、月末に集計して分かるものではありません。帰庫の予定時刻と翌日の出庫予定時刻が決まった時点で、休息期間が9時間を切るかどうかは計算できます。21時帰庫・翌5時出庫なら休息は8時間ですから、この組み合わせは作れない。配車表の段階で弾ける形にしておくことが、いちばん実際的な対策です。
ここでいう帰庫と出庫は、車両の話ではなく人の話です。始業は乗務前点呼から、終業は乗務後点呼の終了まで(2-02)。点呼に20分かかるなら、休息期間はその分だけ短くなります。点呼の時間を勘定に入れていない配車表は、紙の上では9時間確保されていても、実際には切っていることがあります。
- ✓前日の乗務後点呼 終了20:40
- ✓当日の乗務前点呼 開始06:00
- ✓休息期間9時間20分
- ✓当日の予定拘束時間14時間30分
この4行が配車表に入っていれば、その場で判断できます。休息9時間20分は下限を上回っていますが、基本の11時間には届いていない。こういう日が続いていないかを、月に一度は数えます。
宿泊を伴う運行と、住所地での休息
第4条第2項に、住所地における休息期間が、それ以外の場所における休息期間より長くなるよう努めるという規定があります。地味な条文ですが、長距離を組む会社にとっては意味があります。車中泊やビジネスホテルでの休息が続くと、疲労は回復しきりません。運行計画を作るとき、帰社日の休息を厚めに置く——この考え方が告示に書かれている、と知っておくと、社内で話をするときの根拠になります。
SECTION 3不備だと、何が起きるか
1日の超過は、日報と点呼記録簿から一目で出ます
1か月や1年の拘束時間は集計しないと分かりませんが、1日の拘束時間と休息期間は日報と点呼記録簿を並べれば、その場で分かります。監査で任意に抜き取られた数日のうち1日でも15時間を超えていれば、そこから前後の日、そして月の集計へと確認が広がります。最初に見つかりやすい違反だ、という点で注意が要ります。
そして、拘束時間の超過は単独では終わりません。休息期間が9時間を下回った日は、その翌日の運行が疲労のもとで行われたことを意味します。事故が起きたときには、この記録が過労運転の防止義務(輸送安全規則第3条)との関係で見られます。1日の数字は、日々の管理の話であると同時に、事故のときに最初に開かれる記録でもあります。
休息期間が足りない日を作らないために、乗務後点呼を「省略」して終業時刻を早く記録する。点呼が実際より短かったことにする。——点呼の記録は別の義務(1-06)であり、削れば点呼未実施という別の違反が立ちます。休息が取れない配車は、配車のほうを直すしかありません。翌日の出庫を1時間遅らせる、その運行を別の運転者に振る、荷主に到着時刻の相談をする。順序としては、それが先です。
確認の一問一答
1日についての拘束時間は原則として何時間を超えないものとされ、延長する場合の最大拘束時間は何時間か。
原則13時間、最大15時間です。あわせて、14時間を超える回数はできるだけ少なくするよう努めることとされ、解釈通達では1週間について2回以内が目安として示されています。
勤務終了後に与える休息期間について、改善基準告示は「継続◯時間以上を与えるよう努めることを基本とし、継続◯時間を下回らない」と定めている。◯に入る数字は。
順に11時間、9時間です。改正前は継続8時間以上でしたので、令和6年4月から下限が1時間延びています。
ある運転者の勤務が、乗務前点呼6時00分開始、乗務後点呼21時10分終了であった。この日の拘束時間は改善基準告示に適合しているか。
していません。始業6時00分から終業21時10分までの15時間10分が拘束時間で、最大拘束時間15時間を超えています。始業・終業は出庫・帰庫ではなく点呼の時刻で見る点にも注意してください。